第18回 山田友紀人間失格
皆様ごきげんよう
山手朗読倶楽部でございます。
太宰治原作「人間失格」その第18回をお送りします。
読み手は山手朗読倶楽部会員 山田友紀さんです。
山田友紀さんのコメント
繊細という言葉には収まらない、主人公・葉蔵の徹底した自己否定と羞恥心に、戸惑いました。
葉蔵の抱くものは、余りにも自虐的であり重く暗いのです。
物質的に恵まれた環境であるがゆえか、彼の内なる世界は日々の生活の即物的な面よりも、哲学的な苦悩へ向かいます。
最初はそれが難解でした。
しかしながら何度も読み返していくうちに、彼は人間の弱さ、汚いところ、本質を追求し感じきっているのでないかと思えてきました。そうして、この人物に興味がわいてくるのです。
太宰治の独特の世界観を感じていただけたら幸いです。