第5回 小川みちえ人間失格
皆様ごきげんよう
山手朗読倶楽部でございます。
太宰治原作「人間失格」その第5回をお送りします。
読み手は山手朗読倶楽部会員 小川みちえさんです。
小川みちえさんのコメント
人間失格を読んで
超セレブでイケメン。頭脳明晰で女性にモテる。人間恐怖に苛まれ、心に鉛を抱える葉蔵。
「てやんでぇ。人間が怖くてお天道様の下が歩けるかってんだ」。こんな長屋の八つぁんが傍にいたら、情死事件を起こすことも、モルヒネに溺れ廃人になることもなかったのか。
一発逆転。起死回生のその後を、大宰治に書いてほしかった。
おそろしく美貌の葉蔵が、白髪がめっきり増えて、四十過ぎにしか見えない二十七歳で終わるなんて、あまりにも惜しい。
私が家で一番落ち着いて、一番お気に入りの場所はトイレです。南向きで日当たりがよく、風通しもいいのです。外を眺めながら、ぼんやり考え事をしていると、時が経つのを忘れてしまいます。
いつも最終処分場をお引き受けくださり、ありがとうございます。感謝してきれいに使わせていただきます。ここでご飯も食べられるくらい清潔にいたします。これからもよろしくお願いいたします。
これが、私のトイレ掃除の流儀です。